2013年7月16日火曜日

ジビエを題材に~食をめぐるいろいろなこと~

毎年、本学学長の住吉先生が担当される「地域社会と大学教育」という1年次必修科目で、人間健康学部の1年生に学部長と健康栄養・スポーツ健康の両学科の学科長が、松本大学人間健康学部の教育の特徴などについてお話しさせていただく機会があります。

前々回は人間健康学部長の等々力先生、前回はスポーツ健康学科長の吉田先生が、学部とスポーツ健康学科の教育理念について、お話されたはずです。
今日は、私が健康栄養学科について説明させていただくことになっていました。

健康栄養学科の1年生には、他の科目でも同じような趣旨の話をしたので、どうしようかなと考えました。
松本大学健康栄養学科は管理栄養士の養成を大きな目的としている学科ではあるけれども、「栄養管理」だけを大切にしているのではなく、農業県でもある長野県だからこそできるプログラムで、また、地域との信頼関係の上に構築されている松本大学独自の教育スタイルで、学生を育てようとしていることをわかってほしいと考えました。
食材が、私たちの食卓に食事として並ぶまでの過程には、様々なことが関係しているということをわかってほしいとも思いました。

そこで、今回は、ジビエの話で組み立てることにして、ゲストスピーカーをお迎えすることにしました。
お一人は、長野県林務部 森林づくり推進課 野生鳥獣対策室 鳥獣被害対策係(ジビエ担当)の “丸山真一郎さん”。私が監事を務める信州ジビエ研究会の事務局を担ってくださっているかたです。
もうお一人は、同研究会の会員でもある“原 薫さん”。林業の会社に勤めながら、ハンターとしても活動していらっしゃる素敵な女性のかたです。

丸山さんは長野県内にどのくらい野生シカがいて、それが山の環境や農業にどのような被害を与えているのか、それを防ぐためにシカを捕獲すること、ただ捕獲するのではなくシカ肉をジビエ料理として活用していきたいこと、そのために進めている活動などについてお話してくださいました。

原さんのお話も素敵でした。
ハンターとなってシカなどを狩猟する、命をいただくことについて、自分なりにどのように気持ちを整理してきたか・・・鉄砲で撃たれる野生のシカと、人間の食料になるために牛舎の中で育てられる牛と、どちらが命を活かすことになるのだろうか・・と問いかけられた学生たちは、どんな答えを見出したでしょう!

命の循環を通して自然と一体になること、その循環を真摯に受けとめて生きることが大切、身土不二・本来、土の中の微生物も含めて、地域の中で食の営みというのが成り立っていたのではないかなど・・・食育について考えるときの切り口にも通じるお話をしてくださいました。

たいへん貴重なお話をうかがうことができました。

講義中、おしゃべりをしている学生もいましたが、受講票から、多くの学生がお二人のお話から、いろいろなことを考えてくれたことがわかりました。

1年生以外にも聞いてほしかったと思いました。
私もまた、新たに考えるべき題材をいただきました。
ありがとうございました。

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