2012年10月2日火曜日

テレビで扱う“食情報”

一頃、テレビ番組で報道される「○○は××に効く」といったような栄養情報によって、スーパーマーケットの店頭からその食材が無くなってしまうといったことがよく起こりました。栄養相談に応じる管理栄養士や栄養士の皆さんにとっては結構やっかいな事態でした。

今もそうしたことは無くなってはいないと思いますが、テレビ番組制作のほうでもそのあたりは慎重に扱うようになっているらしいということがわかりました。

今日、某テレビ局の番組制作会社の方から電話がかかってきました。
信州の旅の番組で「イナゴの甘露煮」や「蜂の子」などを取り上げることになり、その栄養価などに関するテロップの記載事項が適切かを確認してほしいという依頼でした。

テレビ局から番組製作会社に対して、メーカーなどに関連しない第3者的な立場の人に、表現内容が適切かを確認してもらうようにという指示が出ているのだそうです。
「へぇ!そういう時代になってきたんだ!」と思いました。それはとてもいいことのように思います。

しかし、どのように表現してもいいかを見極めるのは、栄養学に携わる私たちにとっても簡単なことではありません。単一の食品、あるいは食品成分で健康が保たれるということはないのですが、食品のもつ機能性に関する研究が進んでいるのも事実です。
この種の問い合わせはたまにありますが、ヒトを対象とした研究でどんな成果があるのかを見極めるには慎重な対応が必要なので、断定的にはいえず…専門家の見解を求めて尋ねてきている人には物足りないことになってしまいます。
まあ、仕方がないと思っています。

以前、別の某テレビ局から電話がかかってきました。名前は知っていましたが、私は見たことがない番組です。皆さんはご覧になっているかもしれませんね。
ネットで検索して私の関わった研究がヒットしたのでしょう。
そのときに、丁寧に対応したので、以来、その番組スタッフの方からよく電話がかかってきます。バラエティ番組なので、取り上げる題材が面白く・・というか予想もつかない内容で、びっくりします。

先日は「カップラーメンの麺をコシのある状態で食べるようにするにはどんな方法がありますか?」でした。カップラーメンの麺にコシを求めてあれこれ手を加えるなら、いっそインスタントでない麺を食べたほうがいいのではないかと思ったりしますが、こういう切り口が受けるのかなあと思います。

いくつか題材を提供して話しましたが、結局私にはいいアイディアは思いつかず「すみません」と申し上げると、「いえいえ、いつも丁寧に答えていただいてありがとうございます」と・・・。

次はどんなテーマで電話がかかってくるのでしょう?

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