松本大学健康栄養学科主催の本年度の特別講演会を締めくくるもので、私が企画しました。
講師として、琉球大学大学院医学研究科の等々力英美先生をお迎えし、「ゆいまーる(地域の絆)を生かした食育と健康づくりを考える」というテーマでお話いただきました。
後期試験が終了し春休みに入ったばかりで、学生たちの参加が少なかったのは残念でしたが、一般の聴講者の皆様も熱心に聞いていてくださり、実り多い講演会でした。
それはなんといっても、等々力先生の講演内容がとても興味深いものだったからです。
等々力先生とは以前、食事調査票開発の研究チームでご一緒したことがあり、その後も、学会の折などに、研究仲間として語り合う機会がありました。
その当時から先生のご研究には関心をもっていましたが、継続して進展させてこられた「栄養転換 Nutrition Transition」や「チャンプル・スタディ」の研究活動の成果をお話くださるとともに、現在、沖縄で取り組んでいらっしゃる実践活動についてご紹介くださいました。
等々力先生は、私が憧れているハーバード大学のイチロー・カワチ先生と共偏著で「ソーシャル・キャピタルと地域の力:沖縄から考える健康と長寿」というご著書を上梓されていますが、イチロー・カワチ先生は沖縄を“Natural Laboratory”とおっしゃっているのだそうです。
アメリカ統治下になる前後と日本に返還された以降の社会的環境の変化により、栄養素摂取状況や身体・健康指標がどのように変化したのかを科学的に検証することが重要であること、その変化は、日本がたどるであろう道を先取りしていると考えることができるかもしれないということ・・・なのです。
先生の今の活動は「急がば回れ」・・・小学生対象とした食育活動で、その中にChild to Familyの考え方も盛り込んたもの。
似たような試みを実施しているところも多いと思いますし、私も考えていることですが、学術的に計画され、科学的にその成果を検証しているような取り組みは案外少ないように思います。
とても参考になりました。
本学の学長や学部長ともお話していただき、それを受けて、等々力先生が「松本大学人間健康学部は、長野県の特徴を発揮できる最良のポジションに位置していますね」とおっしゃってくださったのは、たいへんうれしいことでした。
私も“ちょっと”パワーを充電することができました!
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