長野市で、公益社団法人長野県栄養士会の第2回通常総会が開催されました。
公益法人化後に実施した1年間の事業と決算、2年目にあたる平成25年度の事業計画と予算について、報告がなされました。
すでに新年度の事業は動きつつあります。
議事終了後に、特別講演会をセットしていました。
今年度は、私の提案で、福井県おおい町の国保名田庄診療所の所長であり、自治医科大学地域医療学臨床教授の中村伸一先生をお迎えしていました。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されたり、NHK-BSプレミアムでは先生をモデルにした「ドロクター」というドラマが放映されたりしたので、中村伸一先生をご存じの方も多いと思います。
私は、平成23年の8月に開催された信州公衆衛生学会で、初めて中村先生のご講演をお聞きしました。ユーモアにあふれたお話の中に込められた医師としての姿勢に心を揺さぶられました。
学生たちにもどうしても聞いてほしいと思いました。
そこで、その年の11月23日に開催されることになっていた松本大学人間健康学部健康栄養学科が開催した大学教育GPのまとめである「GPフォーラム}におけるメイン講演をお願いしました。
幸いにもご都合をつけていただくことができ、先生にご講演していただくことができました。
とてもいいGPフォーラムになったと思っています。
GPフォーラム終了後、中村先生から、「『小さな診療所ではできないこと』はたくさんありますが、それを言い訳にせず、『小さな診療所だからこそできること』を探してきました。松本大学には、それと同じ姿勢を感じ取ることができました」というメールをいただいたのです。
この言葉は、今も私が学生教育をどのように進めていけばよいかを考えるときの心の支えになっている言葉です。
医療に関わる専門職であり、今後、在宅での訪問栄養指導や栄養管理に関わっていくかもしれない長野県栄養士会の会員の皆様にも聞いていただきたいと考え、総会での特別講演をお願いしました・・・というわけで、中村先生のご講演を拝聴するのは、私にとっては今回で3回目となります。
何度拝聴しても、涙が出てきてしまいます。
ご講演の謝礼の言葉でも述べさせていただきましたが、中村先生のお話をお聞きしたとき、私は医師というのは、やはりすばらしい仕事をする人たちなのだと思ったのです。
「医師という仕事は、人が自分の生き方を選択し、それを全うしようとすることを専門的な知識や技術など用いで全力でサポートしていく・・・つまり生き方に“寄り添う”仕事であり、どういう選択肢にするかを決める中心にいる人である」ということを実感しました。
他の医療職種は、医師の決定について、専門的立場からサジェスチョンし、知識やスキルを提供し、チームとして関わっていくことになるのだと思ったのです。
今回のテーマは、
地域に“寄りそ医”20年 ~地域住民と診療所医師の強くて温かい絆の物語~
今回も涙があふれてきてしまいました。謝辞を言わなければならないので、気持ちを整えるのがたいへんでした。
参加されていた長野県栄養士会の会員の皆さんの心にも、何かが届いたことと思います。
オーディエンスの聴く姿勢がすばらしかったので、ゆっくり話してしまいましたと先生もおっしゃっていました。
ご講演後も、楽しくお話しました。
「今日、参加された栄養士の皆さんも美しい人が多かったなあ!」とおっしゃる先生。
“ええ、容姿 → ええようし → えいようし → 栄養士”
だそうです。そんなことをおっしゃる楽しい先生なのです。