この週末、フレイル(日本語で表現すると「虚弱」に当たる言葉)という視点で高齢者の食をめぐる支援について考える機会を得ました。
3月4日の土曜日は、東京で開催された味の素KK主催の「食と健康セミナー」で、厚生労働省の武田俊彦医薬・生活衛生局長の「これからの保健医療政策について」のご講演をお聞きました。
「モノから技術へ、~薬から食の支援へ~」という考え方について、厚生労働省のプランに触れながら、お話してくださったのです。
考えてみれば - 特に、私たち管理栄養士にしてみれば - とても納得できることではありますが、厚労省の中で高齢者の保健医療に関してこういう議論が進んでいることを知り、正直、少々驚きました。
求められている「食の支援」を担える管理栄養士をどう養成していくのか、長野県栄養士会にとって喫緊の課題なのですが、大学教員という立場でも考えなければならないことだと思いました。
まだ霞の状態ですが、取り組んでみたいことが少し頭の中に浮かびました。
そして、5日(日曜日)は、長野市で長野県歯科医師会主催の「口腔機能維持向上のための多職種連携研修会」に参加しました。
こちらは、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授のフレイルについてのお話で、「より早期からの包括的フレイル予防戦略ー新概念『オーラルフレイル』から何を狙うのか ー」というテーマのご講演でした。
前日に引き続いてのお話だったことから、大変興味深く拝聴しました。
飯島先生が取り組まれている研究の成果などを踏まえて、フィジカル・フレイル(身体の)、メンタル/コグニティブ・フレイル(こころ/認知の)、そしてソーシャル・フレイル(社会性の)について三位一体で考えていくことが必要であるというお話はとても説得力のあるものでした。
そして、早い時期に気づき、自分事化しなければならないと強調されていました。
「社会とのつながりを失うことがフレイルの最初の入口」であり、フレイル予防は「総合知によるまちづくり」だと・・・。
飯島先生は、「フレイル」という言葉の認知度を「メタボ」と同じくらいにしたいのだそうです。
一般市民が自分にとってのフレイル対策は何かに気付き、「自分の事」としてストーンと落ちてこなければやれるわけがないとおっしゃっていました。
そして、食べることの重要性に関連して、オーラルフレイル(口腔機能の衰え)にも早い時期からの対策が必要ということなのです。
この2日間で、とても貴重な学びをしたように思います。
実り多い週末でした。
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